2026年7月1日の保険改定に向けて、「改定の準備は何をしておけばいいの?」という院長先生の疑問に、まるごとお答えする実践チェックリストです。
改定の準備と聞くと身構えてしまいますが、あわてず、ひとつずつ進めれば大丈夫です。
やることを並べると多く感じるかもしれませんが、ひとつずつ確認していけば大丈夫。
あわてて全部を変える必要はありません。
「今のやり方を、改定に合わせて少し整える」という感覚で読み進めてください。
ここでは、優先度の高い5つの準備を順番にご紹介します。
この記事の内容は、動画でも解説しています。あわせてご覧ください。
改定の準備① 明細書と会計フローを整える
まず、今回の改定で窓口にいちばん直結するのが明細書です。
これまでの「月1回」から、一部負担金をいただくたびに交付する「明細書発行加算(1回10円)」へと変わり、
会計のたびに明細書をお渡しするのが原則になります。
チェックしておきたいこと:
レセコン・会計システムが、毎回の明細書発行に対応しているか(メーカーへアップデート確認を)
受付で「会計 → 明細書をお渡し」の流れが、待ち時間を増やさず回るか
患者様が「毎回まとめて1か月分でいい」と希望された場合の対応(文書での同意確認が必要。施術日ごとの明細を記載)
スタッフ全員が「7月から毎回お渡しします」と一言添えられるか
会計まわりは患者様の安心に直結します。だからこそ、流れを一度紙に書き出して、受付スタッフと共有しておきましょう。
準備② 初検・再検のルールをスタッフと共有する
また、料金とルールが変わるので、初検料・再検料の扱いをスタッフ全員で確認しておきます。
初検料は1,550円→1,560円、再検料は410円→420円に。新料金で運用を開始する
再検料は連続する2回まで算定できるようになる。
通常は1回目=初検料、2回目・3回目=再検料の流れで、その後の後療では算定不可
初検料は、治癒・中止の翌日から3か月以内の再来では算定できない点も再確認
あわせて知っておきたいのが、再検料スタートの特例です。
終了・中止の翌日から「1か月以上3か月以内」の再来では、初検料の代わりに再検料から始められます(初回から連続する2回まで)。
また、自己施術・自家施術(院長自身やご家族・スタッフへの施術)は療養費の支給対象外です。スタッフ全員で確認しておきましょう。
金額そのものより、「いつ算定できて、いつできないか」をスタッフ間で取り違えないことが大切です。
そのため、簡単な早見表を1枚作り、受付に置いておくと安心です。
改定の準備③ 多部位・長期患者の管理を見直す
影響がいちばん大きいのが多部位です。
なぜなら、改定後は2部位目から80%、3部位目は60%の逓減になるからです。
そのため、まずは現状把握から始めましょう。
自院の患者様は、平均で何部位を算定しているかを一度集計する
負傷原因がはっきりしている施術か、カルテに記録が残っているかを確認する
「部位数ありき」になっていた患者様がいれば、本当に必要な施術かを見直す
あわせて押さえておきたいのが、長期・頻回の逓減です。
これは令和6年(2024年)10月から続くルールで、5か月を超える長期施術は75%、さらに5か月超かつ月10回以上の頻回は50%に逓減されます。
今回の改定で新しく入るものではありませんが、多部位とあわせて「長く・多く・頻回に」請求するほど不利になる設計です。
また、長期患者対応も忘れないようにしましょう。
たとえば2027年1月からは「直近12か月で通算8か月以上かつ累積9部位以上」といった目安で確認が入る仕組みが始まります。
そのため今のうちに、長く通われている患者様の負傷原因と経過を、説明できる形でカルテに整えておきましょう。
これは指導対策であると同時に、患者様への説明の質を高めることにもつながります。
準備④ 自費・都度払いの導線を整える
また、多部位の逓減で保険分の単価が下がる院では、保険外の自費メニューが一つの支えになります。
とはいえ、ここで回数券や会員制に走るのはおすすめしません。
券が終われば来院が途切れ、押し売り感が患者様の不安を生むからです。
そこで私たちがおすすめするのは、都度払いを軸にした自費導線です。
保険施術で改善したあと、再発予防やメンテナンスとして自然に提案できる自費メニューがあるか
「次もまた来たい」と思える説明・価格設定になっているか(押し売りにならない一言の設計)
都度払いだからこそ、毎回の満足が次の来院と紹介を生むことをスタッフが理解しているか
「2回目以降にどう続けていただくか」という継続設計の考え方は、こちらの記事でくわしくお伝えしています。
あわせてどうぞ。
👉 なぜ今、「2回目以降の継続設計」が整骨院経営で重要なのか
なぜ都度払いが改定にも経営にも強いのか——その考え方は、こちらの記事でくわしくお伝えしています。
👉 整骨院の「農耕型経営」とは?回数券に頼らず地域で選ばれ続ける考え方
準備⑤ ホームページ・Googleマップ・SNSを見直す
そして、最後は集患の土台です。
なぜなら、院内を整えても、新しい患者様との出会いがなければ続かないからです。
だからこそ、お金をかけ続ける広告ではなく、地域から選ばれるための発信を整えましょう。
ホームページ
料金や施術内容が分かりやすいか、患者様の声が載っているか、不安に寄り添う文章になっているか
Googleマップ(ビジネスプロフィール)
情報が最新か、口コミに丁寧に返信しているか、写真が清潔感を伝えているか
SNS(Instagram・LINE公式)
告知ばかりになっていないか。実績・お役立ち・院の人柄・告知をバランスよく
発信のコツは、広告色を強くしすぎないことです。
つまり「認知 → 信頼 → 来院」という流れを意識して、まず知ってもらい、信頼してもらうことが大切です。
そして、その積み重ねが、紹介と地域での評判につながります。
まとめ:あわてず進める改定の準備
7月1日までにやるべき改定の準備は、
①明細書と会計フロー
②初検・再検ルールの共有
③多部位・長期患者の管理
④自費・都度払い導線
⑤HP・Googleマップ・SNS
の5つです。
つまり、どれも今のやり方を改定に合わせて少し整えるだけです。
だからこそ、あわてず、ひとつずつ進めれば大丈夫です。
そしてこれらの準備は、単なる改定対策ではありません。
患者様への説明を丁寧にし、信頼を積み重ね、紹介で広がり、地域から選ばれる院になっていく——どれも、長く続く院づくりそのものです。
「自院の場合、どこから手をつければいい?」と迷ったら、チェックリストを一緒に見ながら整理します。お気軽にご相談ください。
5つの準備、自院の優先順位を一緒に整理しませんか?
吉田企画は、整骨院・治療院専門のコンサルティングとして、明細書まわりの実務から都度払いの自費導線、HP・Googleマップ・SNSの見直しまで、現場でそのまま使える形でお手伝いします。ITが苦手な院でも大丈夫です。
















