整骨院経営お役立ちブログ。橋本弥生、伊藤樹里が投稿

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【保険改定から1か月】現場で本当に起きていること|明細書と部位数のリアル

こんにちは。吉田企画の整骨院経営コンサルタント、伊藤樹里です。

2026年7月1日の柔整療養費改定から、およそ1ヵ月が経ちました。

改定前は「減収になるのでは」「窓口が混乱するのでは」といったご相談を数多くいただきましたが、実際に施行されてみると、現場で起きていることは事前の心配とは少し違っていました。

今回は、この1ヵ月で先生方から実際にいただいた声をもとに、「今つまずきやすいところ」と「今のうちに整えておきたいこと」を整理してお伝えします。

この1ヵ月で多かったご相談・ベスト3

1. 明細書の毎回交付で、会計が詰まる

いちばん多かったのが、これです。

今回の改定で、明細書は「月1回」から「一部負担金をいただくたびに交付」へと変わりました。1回10円の明細書発行加算です。

制度としてはシンプルなのですが、実際にやってみると、

  • プリンターの前で行列ができる
  • 明細書を渡しながら次回予約の話をしようとして、会計が長くなる
  • 受付スタッフが「これは何ですか?」と聞かれて答えに詰まる

といったことが起きています。

特に、来院が集中する時間帯にこの詰まりが出ると、待合の空気が変わってしまいます。

対策はとてもシンプルです。

明細書は「渡すもの」ではなく「説明の入口」にしてしまうことです。

「今日は◯◯の施術でこの内容になります。ここが前回からの変化です」と一言添える。それだけで、会計の待ち時間が“説明の時間”に変わります。

また、明細書の印刷を施術終了のタイミングで先に走らせておくだけでも、体感の待ち時間はかなり変わります。
院内の動線を、一度スタッフ全員で見直してみてください。

2. 部位数を減らしたら、思ったより売上が落ちなかった

今回の改定でいちばん影響が大きいと言われていたのが、多部位の逓減です。

これまで3部位目からだった減算が、2部位目から80%、3部位目は60%になりました。

改定前、多部位中心だった院の先生からは「これは厳しい」という声が多く聞かれました。

ところが施行後、実際に部位数を見直された院の先生から、こんな声をいただきました。

「思い切って、本当に必要な部位だけにしました。正直、下がる覚悟をしていたのですが、後療料が上がった分もあって、想像していたほどではありませんでした」

後療料は505円から550円へ、45円上がっています。毎回の施術で算定するものですから、通っていただいている患者様が多い院ほど、この45円は積み上がります。

さらに、再検料が連続する2回まで算定できるようになりました。経過をきちんと見立て直すことが、そのまま評価につながる形です。

つまり今回の改定は、「部位数で稼ぐ」から「一人の患者様を丁寧にみる」へ、収益の作り方そのものを移した改定だということです。

1〜2部位を丁寧にみてきた院ほど、追い風になっている——これは改定前にお伝えしていたことですが、1ヵ月経った今、数字としても見え始めています。

3. 患者様から「値上げ?」と聞かれて、答えに困る

もう一つ多かったのが、患者様からの質問への対応です。

窓口で「なんだか前と金額が違うけど、値上げしたの?」と聞かれる。悪気があるわけではないのですが、答え方に迷ってしまう、というご相談です。

ここは、スタッフ全員が同じ言葉で答えられるようにしておくことが何より大切です。

難しい制度の説明は必要ありません。

「7月から国の制度が変わりまして、お会計のたびに明細書をお渡しすることになりました。内容が見えるようになっていますので、ご不明な点があればいつでも聞いてくださいね」

この程度で十分です。大事なのは、誰が聞かれても、同じ答えが返ってくること

スタッフによって説明が違うと、それだけで患者様は不安になります。逆に、全員が同じ言葉で落ち着いて答えられる院は、それだけで信頼されます。

朝礼で一度、声に出して読み合わせておくことをおすすめします。

1ヵ月経った今、あらためて見ておきたい3つのこと

改定直後のバタバタが少し落ち着いてきた今こそ、確認しておきたいことがあります。

① 6月と7月の数字を、部位数と一緒に並べてみる

売上の増減だけを見ても、原因はわかりません。平均部位数、来院数、再検料の算定回数——この3つを並べると、自院で何が起きているのかが見えてきます。

② 明細書を渡すときの言葉が、統一されているか

先ほどの話とつながりますが、これは仕組みの問題です。個人の力量に任せず、院として言葉を決めておきましょう。

③ 長期に通われている患者様の負傷原因を、説明できる状態か

2027年1月からは、直近12か月で通算8か月以上かつ累積9部位以上といった長期・多部位の患者様について、確認が入る仕組みが加わります。

まだ半年ありますが、カルテの整備は一朝一夕にはできません。今から少しずつ手をつけておくと、あとがまったく違います。

お盆前の今が、実は仕込みどき

もうすぐ8月です。お盆や旅行で来院間隔が空きやすく、患者様との糸が細くなりやすい時期に入ります。

改定対応でどうしても院内の話が中心になりがちですが、この時期にこそ、患者様お一人おひとりに向き合う時間を意識的に取っていただきたいと思います。

「8月はお休みの予定はありますか?」
「間が空くと戻りやすいので、その前に一度みておきましょうか」

この一言があるかないかで、9月の来院数は変わります。

まとめ

改定から1ヵ月。現場で起きていたのは、大きな混乱ではなく、明細書の動線と、説明の言葉という、日々の運営の細かなつまずきでした。

そして、丁寧にみている院ほど、数字が思ったより落ちていない——これが、今のところの実感です。

私たち吉田企画が26年間お伝えしてきた「農耕型経営」は、患者様一人ひとりとの信頼関係を、時間をかけて育てていく考え方です。

制度は、これからも数年ごとに変わります。そのたびに振り回されるのではなく、変化に左右されない土台を持つこと。今回の改定は、そのことを確かめるいい機会になったのではないでしょうか。

「うちの院の数字、これで大丈夫だろうか」と少しでも気になったら、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。改定後の数字の見方から、一緒に整理します。

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