吉田企画の整骨院経営コンサルタントの伊藤樹里です。
毎月の整骨院経営戦略、2026年10月号です。
9月は、
「夏の疲れを、秋の目標に変える。」
をテーマに、
「聞く・提案する・目標を決める」
という3つの取り組みをご紹介しました。
10月は、その続きです。
「続きを聞く・共有する・振り返る」
この3つに整理しました。
今月のテーマは、
「秋の目標を、続く習慣に変える。」
です。
新しい施策を次々と始めるのではなく、9月に始めたことを、10月にもう一段深めて院の習慣にしていく。
10月は、そんな1か月にしていきましょう。
10月は「一度聞いたことを、もう一度聞く」
例えば9月に、
「10月に旅行へ行くんです」
と話していた患者様がいたとします。
次回来院時に、
「〇〇さん、旅行はもう行かれましたか?」
と聞いてみる。
あるいは、これから旅行へ行くのであれば、
「いよいよ来週ですね。楽しみですね。」
と声をかける。
特別なことではありません。
しかし患者様からすると、
「前に話したことを覚えていてくれた」
という嬉しさがあります。
整骨院では、どうしても、
「今日は腰の調子はいかがですか?」
「肩はどうですか?」
と、症状を中心に会話をしてしまいがちです。
もちろん、身体の状態を確認することは大切です。
でも、
「旅行はどうでしたか?」
「ウォーキングは続いていますか?」
「運動会、無事に終わりましたか?」
という会話が加わると、患者様との関係は少し変わってきます。
症状だけではなく、その方の生活を見る。
10月は、ここを意識してみましょう。
10月、院で取り組みたい3つのこと
10月に取り組んでいただきたいのは、次の3つです。
・9月に聞いた患者様の「秋の目標」の続きを聞く
・患者様の「その後」をカルテに残し、院内で共有する
・9月に伝えた「次の選択肢」が、その患者様に合っているか振り返る
順番に見ていきます。
① 9月に聞いた「秋の目標」の続きを聞く
まずは、9月のカルテを見返してみましょう。
・旅行
・運動会
・スポーツ大会
・登山
・ウォーキング
・趣味
・仕事上の目標
患者様との会話の中で、このような予定や目標を聞いていないでしょうか。
書いてあれば、次回来院時にその続きを聞いてみます。
これから予定がある方には、
「いよいよ来週ですね。お身体の調子はいかがですか?」
すでに予定を終えた方には、
「旅行はいかがでしたか?たくさん歩かれましたか?」
運動を始めた方には、
「ウォーキング、続いていますか?始めてみてお身体はいかがですか?」
大切なのは、ここから施術を売ることではありません。
以前話したことを覚えていて、その続きを聞く。
それだけで、患者様との関係は変わってきます。
まずは患者様のお話を聞きましょう。
その中で、
「思ったより歩けました」
「途中から腰が気になりました」
「運動を始めたら身体が軽くなりました」
「やっぱり膝が少し心配です」
など、いろいろな話が出てくると思います。
そこから必要に応じて、身体の状態を確認していきます。
目標を達成できた方には、まず一緒に喜ぶ
「旅行に行けました」
「運動会で子どもと走れました」
「久しぶりにゴルフを楽しめました」
「ウォーキングを続けられています」
そんなお話を聞けたら、ぜひ一緒に喜んでください。
私たちは経営の仕事をしているので、
「ここから紹介につなげられないか」
「クチコミをお願いできないか」
と考えたくなるところでもあります。
もちろん、結果として紹介やクチコミにつながることはあります。
でも、最初からそこを目的にしなくても良いと私は思います。
「良かったですね。」
「楽しめて良かったです。」
「続けられているんですね。」
まずは、それで十分です。
自分の話を覚えてくれている。
自分の目標を一緒に喜んでくれる。
そうした日々の積み重ねが、
「家族にもこの院を紹介したい」
「何かあったら、またここに相談したい」
という信頼につながっていきます。
② 患者様の「その後」をカルテに残し、院内で共有する
9月号では、患者様の秋の目標をカルテに残すことをおすすめしました。
10月は、さらに一歩進めて、
「その後どうなったか」
まで残してみましょう。
例えば、
「10/18 娘さんと京都旅行予定」
と書いてあった患者様なら、旅行後に、
「京都旅行無事終了。たくさん歩けた。翌日に腰の張りあり」
といった形で追記します。
難しい記録方法を作る必要はありません。
大切なのは、次回来院した時に、前回の会話の続きから話せる状態にしておくことです。
スタッフがいる院では「書く場所」を決める
複数のスタッフがいる院では、
「聞いた本人しか知らない」
という状態になりがちです。
そこで、
・カルテの決まった欄に書く
・患者様メモの欄を使う
・院内で共通の目印やタグを決める
など、簡単なルールを一つ作っておきましょう。
大掛かりな仕組みは必要ありません。
「患者様の生活や目標について、どこに記録するか」
を院内で統一するだけでも十分です。
受付スタッフが、
「〇〇さん、旅行はいかがでしたか?」
と声をかけ、その後、施術者も、
「たくさん歩かれたそうですね。お身体はいかがでしたか?」
と自然につなげられたら、とても良いと思います。
患者様との関係づくりを、施術者一人の接遇で終わらせない。
院全体で患者様を見ている状態をつくる。
記録を共有することには、そういう意味もあります。
③ 9月に伝えた「次の選択肢」が、その患者様に合っているか振り返る
9月号では、症状が落ち着いた患者様に、
「また気になった時に来院する」
という方法だけではなく、月に1回程度、その都度身体の状態を確認しながらメンテナンスを続ける、という選択肢もお伝えすることをおすすめしました。
10月は、同じ説明をもう一度する必要はありません。
一段先に進んで、
「9月にお伝えした選択肢が、その患者様に実際に合っていたのか」
を確認しましょう。
声かけは、これだけで十分です。
「この1か月、お身体はいかがでしたか?」
そのうえで、
・前回からどのような変化があったか
・生活の中で困ったことはなかったか
・今のペースが、その方に合っているか
を確認します。
ここで気をつけたいことがあります。
「月1回だから次も1か月後」と決めてしまわないことです。
患者様の状態や生活スタイルは、1か月で変わることもあります。
ペースが合っていなければ、間隔を空ける判断もあってよいと思います。
その都度、一緒に考える。
それが、選択肢としてお伝えした意味です。
メンテナンスを「通院してもらうための仕組み」にするのではなく、
患者様がご自身の身体と向き合うための選択肢の一つとして扱う。
この姿勢は、9月号から変わりません。
10月の発信も「生活」を入口に
LINE公式やSNSでも、今月の院内での取り組みと発信内容をつなげてみましょう。
例えば、
・久しぶりに運動を始める時に気をつけたいこと
・ウォーキングを続けるための身体づくり
・旅行や行楽後の身体のセルフチェック
・スポーツを再開した後に確認したい身体の変化
・自宅でできる簡単なストレッチ
などです。
ポイントは、
「肩こり」「腰痛」などの症状だけではなく、患者様の生活を入口にすること。
院内では生活について聞く。
LINEやSNSでも生活に役立つ情報を届ける。
この2つがつながると、院として伝えたいことにも一貫性が出てきます。
今月確認したい数字
10月も月末には数字を確認しましょう。
・新患数
・次回予約率
・継続率
・紹介による来院数
・キャンセル、無断キャンセル件数
そのうえで、10月は数字以外の振り返りも入れてみてください。
・9月に聞いた目標について、10月にもう一度会話できた患者様はいたか
・9月に伝えた「次の選択肢」について、その後を確認できた患者様はいたか
・患者様の生活や目標について、カルテに記録して院内で共有できたか
今月の3つの取り組みが、実際にできたかどうかの確認です。
数字が上がった、下がっただけで終わらせず、
「なぜ、この数字になったのか」を日々の患者様との会話や院内の取り組みから考える。
ここまでできると、毎月の経営戦略が「読んで終わり」ではなく、院の改善につながっていきます。
参考|11月・12月の準備も少しずつ
10月の主役は、あくまで患者様との関係づくりです。
そのうえで、余裕のあるタイミングに少しずつ年末の準備も始めておきましょう。
・11月、12月の診療日・休診日の確認
・スタッフの休みの調整
・年末年始のお知らせ時期を決める
・LINE公式やGoogleビジネスプロフィールの営業時間変更準備
年末になってから一気に進めると、現場の負担が増えてしまいます。
10月のうちに予定だけでも確認しておくと、11月・12月を落ち着いて迎えやすくなります。
10月に気をつけたいこと
10月に注意したいのは、新しい施策を増やしすぎないことです。
9月に患者様の目標を聞いた。
それなら、10月はその続きを聞く。
9月に目標をカルテに残した。
それなら、10月はその後を書き足して、院内で共有する。
9月に次の選択肢を伝えた。
それなら、10月はそれが合っていたかを振り返る。
新しいPOP、新しいキャンペーン、新しい仕組みを次々と増やさなくても構いません。
始めることより、続けること。
そして、続けられることを、院の習慣にすること。
10月は、そこを意識してみましょう。
まとめ|10月は「その後」を聞く1か月
10月に取り組んでいただきたいことは、この3つです。
・1.9月に聞いた患者様の「秋の目標」の続きを聞く
・2.患者様の「その後」をカルテに残し、院内で共有する
・3.9月に伝えた「次の選択肢」が、その患者様に合っているか振り返る
9月は、聞く・提案する・目標を決める。
10月は、続きを聞く・共有する・振り返る。
新しいことを増やすのではなく、先月やったことをもう一段深める。
この流れが、そのまま院の習慣になっていきます。
患者様との信頼は、一度の特別な対応で生まれるものではありません。
前回話したことを覚えている。
その後どうなったかを聞いてくれる。
身体だけではなく、自分の生活まで見てくれている。
一度提案されたことも、その後の状態に合わせて見直してくれる。
こうした小さな積み重ねが、
「何かあったら、またここに相談しよう」
と思っていただける院につながっていきます。
9月に立てた「秋の目標」を、10月は「続く習慣」へ。
新しいことを増やすのではなく、今いる患者様との関係を、もう一段丁寧に深める1か月にしていきましょう。
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