こんにちは。
吉田企画の整骨院経営コンサルタント、伊藤です。
最近、整骨院や整体院の開業準備をお手伝いしている中で、改めて考えたことがあります。
それが、
「AIでできることを、どこまでAIに任せるのか?」
ということです。
今はChatGPTをはじめとした生成AIを使えば、文章だけでなく、画像やデザイン案まで作れるようになりました。
ロゴも例外ではありません。
実は今回、弊社で開業をサポートしている先生のロゴを制作するにあたり、
「これ、AIを使って弊社で作ることもできるのでは?」
と考えました。
弊社も日頃からAIをかなり活用していますので、最初から「ロゴは絶対にプロにお願いするもの」と決めていたわけではありません。
いろいろ考えた結果、今回はプロのデザイナーさんに制作をお願いすることにしました。
ただ、先に結論をお伝えすると、これは「AIか、プロか」のどちらか一方を選ぶ話ではありませんでした。
・AI → アイデア出しや方向性の整理に使う
・私たち → 院のコンセプトや想いを踏まえて方向性を固める
・プロのデザイナー → それを実際の事業で使えるデザインに仕上げる
この役割分担が、一番しっくりきた答えです。
今回は、ロゴ制作をきっかけに考えた「AIとプロの使い分け」について書いてみたいと思います。
AIは、想像以上に「ロゴらしいもの」を作れる
まず正直に書くと、AIの実力はかなりのものです。
たとえば、
・どのような患者様に来てほしいのか
・どのような院にしたいのか
・高級感を出したいのか、親しみやすくしたいのか
・どんな色やモチーフを使いたいのか
こうした条件を伝えることで、さまざまなロゴの方向性を考えることができます。
配色やモチーフの候補をいくつも出してもらったり、複数の方向性を比較しながら考えを整理したりすることもできます。
数年前なら、ここまで簡単にはできませんでした。
ラフの叩き台を作ったり、自分たちが求めているイメージを整理したりする段階では、AIはかなり頼りになる存在です。
ですから、私は、
「AIだから使わない」のではなく、使えるところでは積極的に使えばよい
と考えています。
それでも、なぜプロにお願いするのか
では、そこまでAIが使えるのであれば、なぜ今回はプロのデザイナーさんにお願いすることにしたのか。
考えていく中で、一つ大きな違いに気づきました。
それは、
「ロゴの画像を作ること」と「事業で使うロゴを作ること」は、同じではない
ということです。
開業時に作ったロゴは、その後、
・院の看板
・ホームページ
・名刺
・チラシ
・LINE公式アカウント
・SNS
・院内掲示物
・ユニフォーム
など、さまざまな場所で使用することになります。
大きな看板にしても問題なく使えるか。
小さく表示しても見えるか。
白黒になっても成立するか。
背景の色が変わっても使えるか。
印刷会社や看板業者に渡せるデータになっているか。
こうしたことまで考えると、「きれいな画像ができた」というだけでは足りません。
AIで画像を作ることはできても、それを実際の制作現場で使用できるデータとして適切に仕上げるには、専門的な知識や技術が必要になる場合があります。
「比較的低価格で外注する」という選択肢についても考えた
ここまで読んで、
「AIではなくても、オンラインで比較的低価格でデザインを依頼できるサービスを利用すればよいのでは?」
と思われた方もいるかもしれません。
実は私自身も、その選択肢を含めて考えました。
現在は、オンラインで個人のデザイナーさんなどに比較的手頃な価格で制作を依頼できるサービスも増えています。
もちろん、それも一つの選択肢だと思います。
予算や目的によっては、そのようなサービスが適しているケースもあるでしょう。
ただ今回は、開業する先生の想いやコンセプトを踏まえたうえで、今後何年も使う正式なロゴとして仕上げることを重視しました。
そのため、こちらの意図まで一緒に汲み取りながら形にしてもらえる、これまでお付き合いのあるデザイナーさんにお願いすることにしました。
「安いか高いか」ではなく、「その案件にとって何が必要か」で選ぶ。
ということだと思っています。
もうひとつ大切なのが「なぜ、このデザインなのか」
そして、プロにお願いしたいと思ったもう一つの理由が、
「なぜ、このデザインなのか」を説明できること
でした。
開業する先生には、それぞれ、
「こんな院にしたい」
「こんな患者様を助けたい」
「地域でこんな存在になりたい」
という想いがあります。
その想いを、
「この考え方を、こういう形で表現しましょう」
「ターゲットを考えると、こちらの方向のほうが伝わりやすいですね」
「将来的な展開まで考えると、このデザインが使いやすいのではないでしょうか」
というところまで言語化し、デザインに落とし込んでいく。
そこには、単に見た目を整えるだけではない工程があります。
院のコンセプトや想いをきちんと理解したうえで、デザインにつなげていくことが大切なのだと思います。
もちろん、先生ご自身がすでにコンセプトを明確に言語化できているのであれば、直接デザイナーさんとやり取りする方法もあります。
一方で、私たちのように普段から開業準備に伴走している立場が、その橋渡しをする方法もあります。
大切なのは「誰が言語化するか」ではなく、
その院の想いや方向性が、きちんとデザインに反映される状態になっているか
ではないでしょうか。
AIか、人間か、ではない
改めて整理すると、今回の答えはこうなりました。
AIでアイデアや方向性を整理する。
そのうえで、院の想いやコンセプトを踏まえて方向性を固める。
そして、プロのデザイナーさんに、実際に使えるデザインとして形にしてもらう。
AIを使うことで、デザイナーさんに「なんとなくいい感じにしてください」とお願いするのではなく、事前に自分たちの考えを整理したうえで相談することもできます。
逆に、AIが出したものをそのまま完成品にする必要もありません。
それぞれが得意な部分を担当すればよい。
今回のロゴ制作を考える中で、私はそこに行き着きました。
これはロゴだけの話ではありません
そしてこれは、整骨院経営そのものにも言えることだと思います。
今はAIに、
「新患を増やすにはどうしたらいい?」
「自費施術を導入したい」
「ホームページを改善したい」
「患者様への説明文を作って」
と聞けば、かなり多くの情報やアイデアを出してくれます。
私たち吉田企画もAIを日々の業務に活用しています。
これから整骨院経営でも、AIを使うことはますます当たり前になっていくと思います。
一方で、AIから出てきた答えが、
「自分の院にも本当に当てはまるのか」
という判断は、また別の問題です。
地域も患者層も違います。
一人院なのか、スタッフがいるのか。
保険施術中心なのか、自費中心なのか。
現在の売上や新患数、既存患者様との関係性も違います。
そして何より、先生ご自身がこれからどのような院をつくっていきたいのかによっても、選ぶべき方法は変わります。
AIは多くの選択肢や考え方を提示してくれます。
しかし、
「この先生、この院、この状況なら何を選ぶのか」
というところまで考えるには、数字だけでは分からない現場の状況や、先生ご自身の考え方まで見ていく必要があります。
「AIに任せる/自分で決める/プロに任せる」を見分ける3つの問い
これからは、「AIを使うか、使わないか」という議論ではなくなっていくと思います。
大切なのは、
「これはAIに任せる」
「これは自分で決める」
「ここからはプロに任せる」
という判断ができることではないでしょうか。
一つの目安として、こんな3つの問いを考えてみるとよいと思います。
1.やり直しが利くことか、簡単には変更できないことか
何度でも試せることであれば、まずAIを使って考えてみる。
一方で、長期間使うものや、一度決めると簡単には変更できないものについては、より慎重に判断する。
今回のロゴは、まさに後者でした。
2.間違えたときの「後戻りコスト」は大きいか
やり直すために大きな費用や時間がかかったり、患者様への影響が出たりするものであれば、自分たちだけで判断せず、専門家の目を入れる価値があります。
作り直しが必要になった場合は、結果的に費用も時間も余計にかかることがあります。
3.専門的な技術や、外部との連携が必要か
今回のロゴでいえば、看板や印刷物、ホームページなどへ展開していくことになります。
専門的なデータや技術が必要になるものについては、最初からその分野のプロに任せたほうが、結果として手戻りを少なくできることがあります。
まとめ
AIを使えるところは、どんどん使いましょう。
私たちも、これからさらに活用していくつもりです。
ただ、そのうえで大切なのは、
「AIに聞いたから大丈夫」で終わらせないこと。
AIから出てきた答えを、自分の院でどう使うのか。
最終的に何を選ぶのか。
そして、どこから先をプロに任せるのか。
AIに任せること。
自分で決めること。
プロに任せること。
この3つをうまく使い分けることが、これからの整骨院経営ではますます重要になってくるのではないかと思います。
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